水野和夫著作の「資本主義の終焉と歴史の危機」という文庫版で200頁ほどの著書だが、議会運営委員会の視察の移動時間に読んだ。
21世紀の資本主義が全般的危機に直面している現実を解明した著書で、簡潔ながら説得力のある叙述と分析に引き込まれ一気に読み終えた。
その内容を簡潔に紹介する能力はないので本のカバーに書かれた一文を紹介して本書の紹介とする。
資本主義の最終局面にいち早く立つ日本。世界史上、極めて稀な長期にわたるゼロ金利が示すものは、資本を投資しても利潤のでない資本主義の「死」だ。他の先進国でも日本化は進み、近代を支えてきた資本主義というシステムが音を立てて崩れようとしている。
16世紀以来、世界を規定したきた資本主義というシステムがついに終焉に向かい、混沌を極めていく「歴史の危機」。世界経済だけでなく、国民国家をも解体させる大転換期に我々は立っている。
500年ぶりのこの大転換期に日本がなすべきことは、異常な利子率の低下という「負の条件を」をプラスに転換し、あらたなシステムを構築するための画期的な書!
水野和夫氏は最後に「おそらく資本主義を前提につくられた近代経済学の住人からすれば、私は『変人』にしか見えないことでしょう。しかし、『変人』には資本主義終焉を告げる鐘の音がはっきりと聞こえています。」と述べている。
水野氏はマルクス経済学者ではなく、三菱UKJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストを経て内閣府大臣官房審査官「経済財政分析担当」を歴任したいわば体制側の経済学者だけにその分析・主張には説得力がある。まだ読んでいない方には一読を薦めたい。
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posted by 浦田秀夫 at 16:50| 千葉 ☁|
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