人種差別、女性差別、排外主義の暴言を繰り返してきたトランプ氏が米大統領に当選した。
理性的に振る舞おうとすれば恥ずかしくて言えないことを公然と発言してきたトランプ氏、グローバル化が産んだ怪物だ。
かっては、民主党の支持基盤であった白人中間層、移民によって、自由貿易にによって自分達が没落したと感じたこれらの層がトランプ氏を大統領に押し上げた。
グローバル化による新自由主義、行きすぎた競争は「一方における富の蓄積は一方における貧困の蓄積」(マルクス、窮乏化法則)を生みだし人々の生存の不安を増大させた。
グローバル化に対する怒り、反抗が社会の進歩に向かう場合もあるが、必ずそもそうとは限らない。ドイツ、ヒットラーがそうであったように、政治の反動・独裁に利用される場合もある。
今回の大統領選挙の結果を、後世の米国民が後悔することになるかもしれない。
すでに、選挙結果に抗議する若者のデモが始まっていることが報道されている。
トランプ流の政治手法は、ヨーロッパをはじめ世界中に広まっている。日本でもその兆候は顕著だ。
こうした政治手法に対抗し、グローバル化に対する怒り、反抗を社会の進歩に導くリベラル派(自由と民主主義派)、社会民主主義勢力の力量が試される時代となった。